みなさんもご存じだと思いますが、日本一長い鉄道トンネルは、北海道新幹線開業で、ふたたび注目を浴びている青函トンネルです。
 
青函トンネル
 
入り口の、「道隧函青」の扁額には、惚れ惚れしますね。本州側は中曽根首相の筆によるもの、北海道側が橋本龍太郎 運輸大臣の筆によるものです。
トンネルと書かれるよりも、隧道と書かれるほうが、完成までにかかった歳月、工事に関わった多くの人たちの、その苦労・重みが伝わる気がするのは私だけでしょうか。
 
青函トンネルは、また1988年(昭和63年)3月13日の開通以来、長年にわたって世界一長い鉄道トンネルでしたが、残念なことに2015年8月(2016年6月から正式運用予定)に完成したゴッタルドベーストンネル*1にその座を明け渡すことになりました。
 
このゴッタルドベーストンネルの長さは57㎞あります。時速250㎞での運行が可能とのこと、それでも通過するには、14分ぐらいかかるので結構長いですね。
なので、トンネル火災など起きたら大丈夫なのかが心配になりますが、素晴らしい安全設備が整っているようなので、安心してください。
 
このトンネルの開通により、これまでのルートを経由するよりも1時間短縮、貨物の量も2倍になる経済効果が見込まれているそうです。
 
せっかくアルプスの美しい景色を見ないで、トンネルを通過するのは、もったいない気がしますが、そういう人は、ゆったりとスイス登山鉄道をご利用くださいってことですね。
 
スイス登山鉄道
個人的には、こっちに乗ってみたい。
 
ちなみに、日本一短い鉄道トンネルは、群馬県の樽沢トンネル(JR東日本、吾妻線、全長約7.2m)でしたが、2014年10月に八ッ場ダムの建設が復活しルート変更されたことにより、その座を、広島県の川尻トンネル(JR西日本、呉線、全長約8.7m)に譲ることになりました。
 
川尻トンネル
 
日本一短いトンネル
 
全長8.7mは、時速40㎞でも、一瞬で通り抜けてしまう長さです。列車の中でウトウトとしていたら、いつ通過したのかも気付かないでしょうね。
そんな短いトンネルなので、町の人たちがしっかり看板でアピールしています。外から見ても、この看板がなかったら、絶対に気付きませんよね。
 
広島県民的には、とても嬉しいことなのですが、棚ぼた式に舞い込んできた日本一の座なので、手放しで喜べない気分。
 
いつかどこかに、新たな鉄道線路が引かれ、そこに更に短いトンネルができる可能性もなきにしもあらず。
あと、どれくらい日本一の座に君臨できるのか、そっと見守っていきたい気持ちです。
 
*1 ゴッタルドベーストンネル
 
T.K.