こんにちは、RPA技術者です。前回このシリーズでちょこっと、RPAとはソフトウェアロボットです、というお話をしました。また、別シリーズの【特許事務に自動化を取り入れる】では、「入力元となる情報を電子化する/電子化された状態で取得することが重要」というお話がされています。
人間は、様式(フォーマット)の異なる情報から共通情報を抜き出して認識したり、画像情報からテキスト情報を読み取ったりすることができますが、現時点でソフトウェアロボットにはそれは無理です。
代わりにソフトウェアロボットは、電子化された情報を正確に別の場所に転記することができ、長時間同じ作業を行っても疲れて休んだり、うっかりミスしたりすることはありません。つまり、ソフトウェアロボットは「人間が忍耐強く繰り返し行わなければならない」作業に向いているといえます。

知財事務業務は日次・週次・月次・期ごとの繰り返しが多いのではないかと思います。なので、「ソフトウェアロボットを使って業務の自動化!」と言われると、どうしても担当業務全体のことを考えてしまって、「どこから手をつければ良いのかわからない」、「難しそう」、「ソフトウェアロボットを作るほうが面倒そう・・・自分でやったほうが楽」と思いがちです。でも、「担当業務全体を一気に」自動化する、なんてことは考えないほうが良いのです。

例えば、エクセルに「整理番号と登録番号、登録日」が10行分記載されているとします。1行分のデータを読み取って知財管理システムに入力するという作業を考えてみます。
1) 知財管理システムを起動してログインする
2) 検索ページを開いて整理番号を入力し、案件検索する
3) 登録情報入力ページに移動する
4) 登録番号と登録日を入力する
5) 案件登録する
6) 知財管理システムからログアウトする

この作業のうち、2)~5)を10行分、繰り返すことになるのではないでしょうか。ソフトウェアロボットは、エクセルの読み書きが得意です。1行分の処理手順を教えたのち、同じことを10回でも100回でも繰り返すことが容易です。

上記は一例ですが、担当業務のなかで、どれだけ小さい単位で「繰り返し」作業を見つけられるかが、RPAツール(ソフトウェアロボット)適用の第一歩なのです。

「そうは言っても、案件ごとに入力する情報が違ったりするし、、、」
はい、では次回は「違いを吸収するには」についてお話しします。
(MH)