前回のブログ(「J-PlatPatとEspacenetを使った訳語の調べ方」)に引き続き、今回は化学分野の用語を調べたいときに私がよく使う方法をご紹介します。

私が解説します
今回の特許翻訳ブログを執筆したTCさん

T.C. | 特許翻訳・チェッカー
特許翻訳歴そろそろ20年。技術系ライティングの理論と、特許出願人の現場での実践的ノウハウを学びました。翻訳者チームの強みを生かし、強い権利の実現を後押しする特許翻訳を提供すべく日々奮闘しています。お客様から喜びの声をいただくと疲れも吹っ飛びます!【資格】知的財産翻訳検定1級(電気・電子工学)、知的財産管理技能士検定2級、実用英語技能検定1級、工業英語検定1級

J-GLOBALを使って化学分野の用語を調べる

特許翻訳者さんは、「電気電子/機械/化学/バイオ」のように得意な技術分野にある程度は絞って仕事をされている方が多いと思います。一方、「電気電子分野の案件なのに、材料の説明や製造プロセスに化学用語が登場する」ようなケースも多々ありますね。

化学は専門外の私だけど、化学用語を調べなきゃいけない!ときに活用して欲しいのが、「J-GLOBAL」。国立研究開発法人 科学技術振興機構が提供するデータベースです。

今回は、このサイトを使った検索の例を2つ紹介します

検索例1:化学物質名「リシノレイン酸」

特許翻訳でよく使用される一般的な日英辞書サイトでは、ヒットしなかったり、間違ったスペルが掲載されたりしています。そんなときには迷わず「J-GLOBAL」です。検索窓に検索したい用語を入力して[Enter]キーを押します。

結果が表示されます。検索した物質が「その他の名称」欄に書かれており、「リシノレイン酸」は「リシノール酸」の別名であることが分かります。この見出し語をクリックして詳細ページを開きます。

見出し語の下に英語名称が掲載されています。
「リシノレイン酸/リシノール酸」の英訳は「Ricinoleic acid」であることが分かりました。

検索例2:化学プロセス名「プソイドウリジン化」

これも一般的な日英辞書サイトでは対訳を見つけることができません。「J-GLOBAL」で検索してみましょう。

今度は科学技術用語としてピンポイントのヒットがありません。文献名にこの用語が使われている文献のリストのみが検索結果に挙がっています。そのうち、英語の名称として信頼できるものを見つけます

一番上の検索結果は専門誌「Nature」に掲載の論文のタイトルで、よく検討された信頼できるソースと考えられます

他にもいくつかのタイトルを確認し、「プソイドウリジン化」の英訳語として「pseudouridylation」を見つけることができました。

まとめ

ここに挙げた例を参考に、まずはいろいろな名称で検索してみてください。実際に試行錯誤することで、特許翻訳スキルアップに欠かせない検索力向上を目指しましょう

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