さて、今回は『PCT出願とは?』をテーマに二回に分けて解説していきます。
外国に出願する際には、PCTルートまたはパリルートのいずれかを活用します。PCTルートの手続を覚えるときには、「パリルートと違う点はどこか?」を意識すると理解しやすくなります。
また、PCTルートとパリルート、どちらのルートにもメリット、デメリットがありますので、最終的には総合的に判断してどちらのルートを使うべきかを考える必要があります。なお、企業の知的財産部では、出願権利化を担当している特許技術者がいずれのルートで出願するかを判断します。
◆ポイント
1.PCT出願とは?
下記、特許庁のリンクを参照してください。
http://www.jpo.go.jp/seido/s_tokkyo/kokusai1.htm
2.PCT国際出願とパリルート出願の手続期間の違い
『PCT 国際出願制度と手続の概要』*1のp14「第2章 第1節 PCT国際出願の主な手続」のフローをご覧ください。続いて、フロー図の縦に書かれている期間に注目してください。
PCTルートでは、(優先日)→(30ヶ月)→各国審査となりますが、パリルート出願の場合は、(優先日)→(12ヶ月以内)→各国で審査になります。
PCTルートの場合は各国審査に入るまでに、30ヶ月、つまり2年半という長い月日がかかることが分かります。
“とにかく早く権利化することが最重要事項”であれば、PCTルートではなくパリルートで出願する方がベターです。
*1 :『PCT 国際出願制度と手続の概要』は、特許庁のホームページから入手できます。
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/seido/s_tokkyo/tokkyo_jyouyaku.htm