akです。
Virtual Realityという技術があります。
それは、コンピュータなどにより創り出された空間/世界を、主に、視覚、聴覚、触覚などにより人間に
「それがあたかも実在するかのように見せる」技術である…と言えば、だいたい当てはまるかもしれません。
身近な例では、サングラスのようなものをかけて、コンピュータゲームを楽しむ…といったことを
想像されるかもしれません。
あるいは、飛行機のパイロットが実際の搭乗感覚に限りなく近い環境で操縦訓練を行ったり、
医師が、実際の人体ではなく、やはりコンピュータが創り出した空間で、
手術の術式訓練を行ったりすることもあるでしょう。
そう考えると、こうした技術が発達しているであろう未来では、人は直接他人に会わずとも、
握手を交わすくらいのことはできるようになるかもしれません。
でも、世の中がそんな方向に進む一方で、「閉ざされた空間」で「人工的にコミュニケーションを行う」のが
良いのだろうか…なんて思ったりもします。
そんな折、面白い記事をWebで読みました。
マドンナという有名な女性アーティストが、レコード会社との契約を打ち切り、イベント興行会社と
契約を結んだというのです。
音楽を創ってそれを他人に届けることで生計を立てている人が、レコード会社との契約を解除するなんて、
どうして?…と思いましたが、きっとそこには、次のような考え方があるのだと気づきました。
「音楽はネットで配信できるし、それで商売は成り立つので、物理的なCDを作って管理するだけの
レコード会社は要らない。
しかし、いくら時代が進んでも、『その場にいる大勢の人と、一つの出来事を体験し共有する』という欲求を
満たすものはコンサート以外にない」
面白いと思いませんか?
どんなに科学や技術が進歩しても、その利益を受けるのが人間である以上は、
提供する側にも「人間」という要素が欠かせないのです。
そうなるとVirtual の中にReal が存在することになります。
そう考えていくと、アタマの中にウロボロスが登場しそうですね。