人生50年といったのは、織田信長。
還暦まであと2年の夏休み、まだ元気なうちにと、はじめて購入した青春18きっぷで一度は訪れてみたかった場所に行ってきました。
朝5時起き、五日市6時8分の岩国行きに乗車、土曜日のこの時刻にしては、ほぼ席が埋まっています。
通勤客、宮島に行きそうな人、あきらかに18きっぷの使用者らしき若者たち。しかたなく、ドア傍の折りたたみ式の座席に座りました。
案の定、宮島でどっと降りる客、すかさず普通の座席に移動します。
この日の天気予報は、くもりのち晴れ、列車の窓には雨の滴がポツポツと降りかかってきます。晴れてくれるのだろうか?
岩国には、6時43分に到着、向かい側のホームに停車中の下関行きに乗り換えます。乗り換え時間はわずか1分。ダッシュで駆け込みなんとか、普通の座席を確保でき、ひと安心です。
ここから下関まで、なんと「35駅」(さんじゅうごえき)、3時間15分の各駅停車の旅が始まります。
由宇までは、馴染のある風景ですが、そこから以西は未知の世界です。在来線を利用して下関まで行くのは、おそらく中学校の修学旅行以来です。
車窓からの風景、特に停車する駅舎の佇まいは、時が30年ぐらいタイムスリップしたかのような印象です。木造の駅舎で跨線橋も板張りのまま、バリアフリーにも手がつけられず、駅のホームと車両との段差は昭和のまま、気をつけないと転げてしまいそうです。
地域の乗客を観察するのも楽しいです。真っ白のスーツを着たしゃれたオジサン、ジャージ姿の中高生、都会ではなかなか見かけなくなりました、
いろいろな物が目にとまり、あれは、なんだろう、あの煙突は、あの橋は、あの島は、あの山は、あの川は、これがあの鉄道の工場で、徳山コンビナート群、なんでこんなところにあの食品メーカーの工場があるのと、まったく飽きることがありません。ただお尻は痛い、これでも昔の直立ボックス席よりも格段クッション性能がよくなっていると思います。
しかし、良く揺れます、車両が古いのもあると思いますが、線路の状態も決して良くはなさそうです。
すれ違う貨物列車が非常に多いです。それも線路を痛める理由の一つとも言われているそうです。
下関に10時01分に到着、本来乗る予定の列車の発車時刻10時35分まで、約34分あります。
途中下車して、お弁当とか仕入れてこようと思っていたとき、駅の行き先案内に、10時21分快速列車「○○の話」(東萩行き)とあるのを発見しました。
駅員さんに、「青春18きっぷで乗れますか」と訊いてみる、「指定席券を購入すれば、乗車できます」との回答でした。
目的地の経由地、滝部駅までの指定席券は520円です。こんなチャンスも滅多にないと思い、いったん改札を出て、みどりの窓口で、指定席券を注文しました。「残り1席しかないので、選べませんけどいいですか」
そりゃー当然OK、というか、逆になんてツイテるんだろうですよ。
それで、なんとか指定席2号車3-Aを購入できました。
予備知識もまったくないまま、6番乗り場に行くと、そこにはきれいに改装された2両連結のディーゼル列車が停まっていました。これに乗ってホントにいいですかみたいな心境です。
2号車は洋風仕上げ、客席がすべて海側に向けられた完全な観光仕様です。
出発の時にはホームの人が手を振ってお見送りしてくれ、観光ムードが一気に増しました。
滝部駅までは約1時間、どんな景色がみられるのか。
下関から長門、萩まで走行する間に日本海の景色が何回か現れます。絶景ポイントにくるとゆっくり走り、停車までしてくれます。日頃見慣れた瀬戸内にはないスケール、こころがすこーし広―くなったきがします。
ちなみに1号車は、和風仕上げです。
滝部駅で下車。
車両の後方はカラーリングが緑基調になっていました。
ここは、しっかり駅員さんがいました。青春18きっぷを見せて、指定席券を渡して改札をでました。
ここから、目的地まではローカルバスに乗り換えです。
青春18きっぷ紀行(其の二)に続きます。
T.K.