韓国の産業財産権・知的財産権(特許・実用新案、デザイン(意匠)、トレードマーク(商標))を調査する際は、JP-NET、PatentSQUARE、Shareresearchなどの商用特許検索データベースや、日本のJ-PlatPatのようなデータベースである「KIPRIS」などが使われています。
「KIPRIS」(Korea Intellectual Property Rights Information Service:韓国知的財産権情報サービス)とは、韓国特許庁が保有する韓国国内外の知的財産権に関連する情報を無料で検索及び閲覧できるサービスで、韓国特許情報院(Korea institute of patent information:韓国特許庁の傘下機関)が提供しています。
商用特許検索データベースは、機械翻訳でキーワードを検索するためそのキーワードが適切でない可能性があります。それにともない、検索結果も十分ではない可能性がありますので、より正確に、漏れのないように調べるためにはその国のデータベースを使用するのが一番です。
今回はKIPRISの便利なキーワード検索の方法を2つご紹介します。
L.H. |特許調査サーチャー
バイオ分野専門で、特許事務所、バイオ企業の知財部での勤務経験があり、現在AIBSで特許調査業務に携わって8年目になります。 バイオ分野だけでなく、色んな技術分野に対応できるよう日々勉強中。
KIPRISの概要
はじめに、KIPRISの概要を簡単にご紹介します。
データ提供範囲
基本的な使い方 おすすめサイト
基本的な使い方についてはINPIT、JETROなどのサイトに説明がありますので、下記のリンクをご覧ください。
- INPIT(https://www.globalipdb.inpit.go.jp/etc/26764/)
- 特許庁(https://www.jpo.go.jp/resources/report/sonota/service/document/h28-access/405.pdf)
- ジェトロ(KIPRIS関連マニュアル(2022年度更新版))
(https://www.jetro.go.jp/world/asia/kr/ip.html)
「韓国語-英語」検索時のキーワードの拡張
KIPRISの便利な機能の一つに、「検索時のキーワードの拡張」があります。これは、ある単語を韓国語で検索した際に、その単語の英語訳もヒットさせることができる機能です。
それでは、使い方をご紹介します。
まず、KIPRISのトップページにある検索窓に検索したいキーワードを入力します(統合検索)。
今回は、「반도체(半導体)」と入力します。
検索結果が表示されたら、①「한글-영어(ハングル-英語、英語版では「Kor-Eng」)」をクリックして、②虫眼鏡マークをクリックして再度検索を行うと、英語のキーワードまで広げて検索できます。
例えば、先に入力した「반도체(半導体)」で「한글-영어(ハングル-英語、英語版では「Kor-Eng」)」にチェックを入れて再検索すると、上記の通り英語の「semiconductor」まで検索されます。反対に、英語で検索すると韓国語もヒットします。
表記揺れを指定する検索キーワードの拡張(韓国語版のみ)
KIPRISには、韓国語版と英語版があり、韓国語版でしか使用できない機能もあります。
ここでご紹介する「検索キーワードの拡張」は韓国語版にしかない機能で、検索したいキーワードの表記の揺れをどこまで含むかを指定して検索できます。
まず、サイト上部にある「特許・実用新案」をクリックします。
次に、下記「스마트검색(スマート検索)」をクリックすると、閉じられていた検索項目画面が開きます。その中で「자유검색(自由検索(全文))」というキーワードを入力する欄には「검색어확장(検索語拡張)」があり、ここに調べたいキーワード(今回は半導体)を入れてクリックします。
すると、下のような「동의어(同義語)」、「관련어(関連語)」、「번역어(翻訳語)」が表示されます。
ここで検索結果に含めたいキーワードを選択し、画面右下の「적용(適用)」をクリックします。
すると、「자유검색(自由検索(全文))」欄に適用され、キーワードが表示されます。
表示されている韓国語の単語はGoogle翻訳などの翻訳サイトで確認し、必要な単語を選べられますし、単語表記のバリエーションを確認するのにも有効です。 「검색어확장(検索語拡張)」には特許に記載されているキーワードの色んなバリエーションや誤記なども表記されていますので、キーワードの漏れを防ぐのに効果的です。
まとめ
今回は韓国の特許検索サイトKIPRISの便利な機能についてご紹介しました。
英語版を使うのもいいですが、今回ご紹介した韓国語版の便利な機能を使ってキーワードのバリエーションを収集するにも役立つと思いますし、もっと正確に韓国の特許検索ができると思います。
韓国語がわからないからと諦めずに、韓国語がわからなくてもGoogle翻訳などのツールを使えば十分対応可能だと思いますので、韓国語版も是非お試しください。
韓国の特許調査が必要になりましたら、AIBSにお気軽にお問い合わせください。