昨日お伝えしたとおり、今日はtcworld 2013をレポートします。
tcworldは、tekom(ドイツのテクニカルコミュニケーション協会)が主催するテクニカルコミュニケーションの国際会議です。毎年フランクフルトから西に数十キロ離れた都市ヴィースバーデンで開催されています。ただし、会場のラインマインホールが改修されるとのことで、来年以降はシュトゥットガルトで開催されるそうです。
3日間の開催期間中、さまざまなセミナーや製品発表が受けられます。
内容はコンテンツストラテジー、ローカリゼーション、モバイルドキュメント、ISO関連などに分かれて、半分弱ぐらいのセミナーが英語で行われます。最初の2日間で、ローカリゼーション関連を中心にさまざまなセッションに参加しました。
日本で開催されるセミナーでも原文のドキュメントの質が良くないという声はよく聞きますが、ここドイツでも何度も聞きました。ただ、原文が悪いせいで翻訳の品質が悪いのは、翻訳者のせいではないという考えのようです。原文が悪くてもきちんと訳すのが翻訳者の仕事と言われる日本とは少し違ってびっくりしました。
ヨーロッパでは数十言語への翻訳をするのが当たり前なので、原文の品質にはかなり気を使っているようです。必要は発明の母とはよく言ったもので、いろんなISOを策定したり、さまざまなツールが誕生するのもわかります。あと驚いたのが、学校でテクニカルライティングの授業があると聞いたこと。1日目のウェルカムイベントで会った方は、高校のテクニカルライティングの元教師だったそうです。
日本でも学校でテクニカルライティングの授業をぜひ取り入れてほしい!日本はドイツと並び世界で指折りのモノづくりの国です。せっかく世界に誇れる製品を作れるのだから、ドキュメントも良いものを作りたい。もちろん翻訳者にも役立ちます。アビリティに新卒入社する人はみんな英語力は高いですが、テクニカルライティングできる人はまったくと言っていいほどいません。誰からも習っていないから当たり前だし、そもそも「テクニカルライティングって何ですか?」て感じです。
展示ブースはCMS、CATツール、オーサリングツールなどのメーカーが多数出展していて、東京ビッグサイト並みです。もちろんローカリゼーション会社もブースを出していて、私たちのパートナーにも会えました。
飛行船飛んでます。
翻訳の品質をどうすれば評価できるかのセミナー。
ヨーロッパで人気のCATツールmemoQのデモ。
デモの参加者にはシャンパンを振舞ってくれました。
このデモのあと、帰る前にパートナーのMさんに挨拶しに行ったら、「今晩GALAのパーティーがあるんだけど一緒に来る?」と誘ってもらい、GALAのメンバーじゃないのにちゃっかり参加させてもらいました。ちなみにGALAはローカリゼーションの国際的な団体です。
念願のドイツソーセージ。
右のビールはバナナフレーバー、左の小さいのは飲んだグラスをお土産にできるビールです。