私は広島市郊外山陽本線沿いに住んでいます。生活するうえで線路を横切らない日はほとんどないと言っても過言ではありません。そして毎日必ず踏切にひっかかります。まあ大都会の開かずの踏切に比べればたいしたことはないのかもしれませんけど。

生まれてこのかたどれだけ踏切で待ってきたことか計算してみると、仮に1日5分とした場合5分×365日×63年=114,975分、1916時間、79.8日も待っていたことになります。意外に長いです。
特に長い列車が通過するのを待つのは本当につらいです。😢

日本国内を走る一番長い列車は16両編成約400mの新幹線?ではないんです。
実は一番長いのは在来線の貨物列車なんです。
東海道・山陽本線を走る貨物列車は26両編成で550m(機関車を含めると27両編成)です。さらに山陽本線のセノハチと呼ばれる急こう配区間ではさらに機関車を1両連結するので最大28両編成、全長560メートルになります。

長い貨物列車が通過して遮断機があがると思いきや今度は反対方向から長い貨物列車がやってくるという場面に遭遇することがこれまで何回あったことでしょう。😢

特に昼間は客車の合間を縫って貨物を走らせるダイヤなので運行速度もゆっくりです。そのため待たされる側のイライラ度はマシマシです。
そのイライラ度解消のためにやり始めたのがコンテナのデザインを眺めることです。だいたい茶色のコンテナか運送会社のロゴっぽいのがほとんどですが、

最近見かけるようになった楽しいデザインのコンテナがこれです。
新潟のお菓子メーカーのキャラクターをデザインした車両

出典:https://www.bourbon.co.jp/news/detail/20220826091408.html

60歳すぎたオジサンでもわくわくするのですから、これを見た子供達がどんなに喜ぶか想像つきますね。

最近貨物列車が長くなっているらしく、その理由はCO2排出削減・環境保護のためのモーダルシフトが進んだことによるものらしいです。今ではトラック輸送が物流の主流になってきましたが、昔は貨物列車がほとんどその役目を果たしていました。
かつては貨物の種類も(木材、石炭、穀物、自動車、鋼材etc.)多くその種類に応じた様々な形の車両がありました。が今はほぼコンテナになってしまいました。列車の最後尾の車掌車もいつの間にかなくなりました。あの車両には「やっと長い貨物列車が終わったなー」という文章の句点「。」のような意味合いがあったのではと思います。

現在はまったく見なくなった貨物車といえば家畜車です。子供のころは牛や豚やヤギを積んだ貨車をよく見かけました。1977年頃までは走っていたようです。食肉加工・冷凍技術、トラック輸送が発達したことで市場に新鮮な肉を供給するために生きたまま輸送しなくてもよくなったのが理由なんだとか。
ちなみに、スタジオジブリ作品「魔女の宅急便」の主人公のキキが逃げ込んだ貨物列車はこの家畜車です。宮崎駿監督が家畜車を選んだのはきっと心の片隅に家畜車への郷愁をお持ちだったからではないかと推測しています。

貨物列車は新幹線や豪華観光列車のような主役ではなく、地味で縁の下の力持ち的な役割を持っています。郷愁をさそうのはそういう理由からなのかな。

貨物列車が登場する代表曲として、かぐや姫の赤ちょうちんがすぐに思い浮かびます。

ここはやはり特急、快速、新幹線では雰囲気がでませんよね。

貨物列車は英語でFreight Train。
曲のタイトルがぴったりFreight Trainという曲がありまして、オリジナルはエリザベス・コットンさんが1900年代初頭10代の頃に作った曲です。いろいろなアーティストにカバーされています。中でも一番心にしみるのがJOAN BAEZさんによる Freight Train です。


なんとも言えない哀愁を帯びたメロディと歌詞ですね。惹きこまれました。

とりとめもなく書いてしまいましたが、つぎに貨物列車を見るときにはいろいろと妄想をめぐらしていただければ幸いなり。

T.K.

<参考したサイト>
両数や編成長……日本で一番長い列車は?2021年7月10日(土) 鉄道コムスタッフ
https://www.tetsudo.com/column/123/
魔女の宅急便で雷雨で逃げ込んだ貨物列車は何?
https://mainitioniwabiyori.com/majyotaku-kamotsuressya-964
エリザベス・コットンと「フレイト・トレイン」
http://blog.livedoor.jp/lemontree123/archives/1639385.html