空気の澄み渡った朝、空を見上げると、幾筋もの白いひこうき雲を見たことがありませんか?
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夕暮れ時、空を見上げると、夕日に機体を輝かせている飛行機を見たことがありませんか?
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夜、空を見上げると、両翼のランプを点滅させている飛行機を見たことがありませんか?
そんな時、あの飛行機はどこから来て、どこに向かっているのか、誰が乗っているのか、思いを巡らせたことはありませんか?
私は、ずーっとこの悩みを持ち続けていましたが、つい最近あるシステムを見つけ、その悩みがいっきに解決しました。
それは、flightradar24 (*1) というシステムです。http://www.flightradar24.com/
簡単に言えば、世界中を飛行している飛行機のリアルタイムな位置情報と飛行ルートなどを見ることができるものです。
たとえば、広島から上海へのMU294便は、9時20分に出発し、1時間後、東シナ海上空28,000 ft を飛行中というのが分かります。
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いったい、世界中でどれくらいの飛行機が飛行しているのだろうかと思い、マップを縮小してみると、こんな風に。
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どの国も飛行機で溢れかえっています。マップのグレーのシェードがかかったところは、夜の範囲を示しているので、アメリカは昼夜を問わずひっきりなしに飛んでいるのが分かります。
このシステムはADS-B信号 (*2) を発信している飛行機のみ表示します。すべての飛行機情報ではありませんが、これほどの飛行機が飛んでいることにあらためてびっくりさせられます。
ちなみに、ある調査によれば、実際に同時に飛行している機体数は約10,000機以上あると言われています。そのうち約7割がADS-B信号を送信しています。
最近は、Wi-Fiが利用できる機体も多くなっておりflightradar24に機内からアクセスできれば、自分が今どのあたりを飛んでいるかが分かり、機体に設置されたカメラの風景映像 (一部航空会社のみ該当) と合わせてみると、空の旅がよりいっそう楽しくなりそうです。
あったらいいなーというものが、ますます現実化していく世の中。すべてがデータとして処理されて、すぐに答えが得られてしまうと、悩んだり、熟慮したりする人間本来の能力が失われてしまわないかとちょっと不安視する声もありますが、そうしたら、もっと難しいことを悩むことになるのかもしれませんね。やはりそれが人間の性なのではと思うのです。
T.K.
(*1) Flightradar24の解説は、こちらを参照。https://ja.wikipedia.org/wiki/Flightradar24
(*2) ADS-B (Automatic Dependent Surveillance-Broadcast) 信号: 飛行機自らが発信する信号で、現在位置・高度、カテゴリ情報、対気速度、識別、航空機の旋回、上昇、降下などを知らせる。