3月も半ばを過ぎてしまいました。毎度のことながら時の過ぎるのは本当に早いと感じています。この時期に学校の先生から何度も聞いた言葉に「一月往ぬる二月逃げる三月去る」というのがあります。時の経つのは早いので毎日をしっかり生きよ、ということだと話されていたように思います。
人は、春という季節をどのように感じるのでしょうか。年が明け1月には早くも「新春」という言葉を使います。2月初旬の二十四節気「立春」になると暦の上ではとことわりを入れながら春を迎えたと言います。そして3月になって春を感じることがやっと現実的になってきます。数日前の早朝に雉(キジ)の鳴き声を聞きました。繁殖期を迎えるに当たり雄が縄張りを主張するために鳴き始めるのです。ああ、春がきたなということを実感した瞬間でした。
「はるがきた」という唱歌があります。(最近の子供たちも歌っているのだろうか・・・)
♪春がきた 春がきた どこにきた
♪山にきた 里にきた 野にもきた
2番の歌詞で「花が咲く」そして3番で「鳥が鳴く」と続きます。
カレンダーの日付や気温の上昇などの数値的なものではなく、人は自然現象の変化で季節の移ろいを知るということを唱っているのだと思います。
住んでいる環境にもよりますが、人それぞれに春を感じるポイントがあると思います。私が最初に春を意識するのは梅の花です。花を付けるのは2月ですから一番寒い時期なのですが、梅の花を見ると気持ちは春に向かい始めます。次は水仙、そして桜です。桜は4月のイメージですが、桜の開花予想が毎日のようにメディアで報じられる頃になると、いよいよ春がやってくると感じます。 鳥は先に書いたキジの鳴き声、そしてウグイスです。「春告鳥」という別名があるくらいですから春と言えばウグイスです。ウグイスは、お盆の頃までは鳴き声が聞こえるのですが、春の鳴き始めはケキョケキョと鳴いています。ホーホケキョと上手に鳴けるようになるのはもう少し後です。大トリは、なんといってもツバメです。3月最後の週から4月最初の週、この2週間のうちにやってきます。カレンダーも地図も持たない彼らが迷わずにどうやって来るのか・・・これが自然の驚異というものなのでしょう。あと数日でそのタイミングがやって来ます。春を連れてやってくるツバメ達の飛ぶ姿と鳴き声を聞くのを楽しみにしています。