富士山

2月になりました。とても寒いのですが、空気が澄んでいて遠くの景色がくっきりと見えます。
東京に出張するときに、くっきりと見える富士山に出会える確率の高い時期です。
新幹線から見える富士山、飛行機から見える富士山は、場所や天気によって見え方が変わり思わず写真を撮ってしまいます。私だけでなく富士山が見え始めると写真を撮っている人がたくさいます。
富士山には我々を引きつける何かがあるのだと思います。

2001年7月に富士山に登りました。もう22年も前のことですが、鮮明に覚えています。
21世紀になったその年に、「日本一の翻訳会社を目指すために、先ず日本一の富士山に登ろう。そして御来光を拝もう」と前社長が音頭を取って決行しました。広島本社と長野支店から総勢9人が参加しました。富士山5合目に集合して、昼食を済ませてから登山開始です。8合目(標高3,100m)の山小屋で一泊して翌早朝(2時頃だったと思う)出発して頂上に着いて御来光を待ちます。御来光に手を合わせてからお鉢巡り(火口を一周する)をして下山するという強行軍でした。 標高3,776mの富士山頂(日本で一番高い場所)に全員で立ち、ぐるっと周りを見渡せば気分はもう日本一です。また、そこには気象庁の富士山測候所(その時には、既にレーダー観測は廃止されていた)があります。私はそこで働きたいと夢見ていたこともあり、とても感慨深いものがありました。

その昔、船で海外へ渡航していたころ、日本に帰ってくる時に海の向こうから最初に見えてくるのが富士山だったそうです。富士山を見て日本に帰ってきたことを実感したということです。
古くから歌や絵など多くの芸術作品の題材となったり、信仰の対象となったり観光名所にもなっています。また海外の人にも「フジヤマ」と広く知られています。日本にはたくさんの山がありますが、その中でも富士山という山の存在感は飛び抜けているのだと思います。

2002年に東京支店を開設してからは関東で活動する機会が増えました。移動中に富士山が見えた時、東京に住んでいる人に「富士山が、見えたんですよ」と興奮気味に言うと、「ああ、富士山はどこからでも見えるからね」とさらっと返されてしまいました。広島の人が原爆ドームや宮島の大鳥居が日常の景色の中にあるのと同じ感覚なのでしょう。

長い歳月を経て壮麗な姿になった富士山。太古の昔から人々を魅了する不思議な力を持っているのだと思います。いまでも東京に出張するときには、富士山が見える側に席をとるようにしています。
富士山が見えた時は、「あっ、富士山が見える」と思わず心の中で叫んでしまい、テンションが一気に上がります。

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