知的財産権の一つ「特許権」

知的財産権とは、企業が提供する製品やサービスを他人に無断で真似されないために活用する権利です。知的財産権には、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権など、全部で12の権利が含まれます。特に、特許庁に手続きを行って権利を取得する以下の4つの権利を「産業財産権」といいます。

    1. 特許権:独自の技術や手法を、「高度な発明」として保護するための権利
    2. 実用新案権:日常の「ちょっとしたアイデア」を、独自のものとして保護するための権利
    3. 意匠権:物や画像などの「デザイン」を、独自のものとして保護するための権利
    4. 商標権:企業のロゴマークやサービス・商品名などを、独自のものとして保護するための権利

AIBSの特許翻訳サービスでは「特許権」「実用新案権」「商標権」を、特許調査サービスでは「特許権」と「実用新案権」を、特許事務支援サービスでは「特許権」「実用新案権」「意匠権」「商標権」を対象としています。権利の名前だけ見ると、一見難しそうな印象を受けるかもしれませんが、実は、どの権利も私たちが日常的に目にするものと密接に結びついています。

遠いようで実はとっても身近な「特許の世界」へ、ようこそ。
 

何のためにある権利なのか

特許権とは、特許庁に出願(申請)して、認められれば取得できる権利です。特許権を取得するメリットはいくつかありますが、主な役割は、「発明の保護」です。企業が、開発した製品やサービスに関わる発明で特許権を取得することで、第三者が無断で真似ることができなくなります。それによって、企業は努力の結晶である、独自の技術や手法を他社から守ることができます。「発明」という言葉だけ聞くと、世紀の大発明のような、大きな発明をイメージする方も多いのではないでしょうか。ところが実際は、カメラやスマートフォンなど、身の回りのさまざまなところに特許権を取得した技術(発明)が活かされているのです。

 

特許取得までの流れ

メーカーが特許を取得しようとする際には、複数の工程が必要になります。そこで、まずはじめに、特許取得までの一般的な流れを見てみましょう。

  1. 「研究開発」の段階では、企業の開発部が次に開発する技術を考えます。その際に、「競合他社はどんな技術を開発しているか」や、「開発しようとしている技術と似た技術が既にあるかどうか」などを事前に調査します。
    特許調査
  2. 開発者が考案した発明は、知財部で内容が精査され、出願すべきかどうかが検討されます。
  3. 出願が決定したら、開発者・知財部員・特許事務所で打ち合わせをし、出願の方針を決めます。この内容が特許明細書になり、外国出願の際には翻訳が必要になる文書です。
    特許翻訳
  4. 特許の認定(登録)には特許庁の審査を通過する必要があります。出願に必要な書類一式を特許庁に提出し、審査を請求することで審査が開始されます。審査における特許庁との一連のやりとりには、様々な種類の書類の提出が求められ、それぞれに期限が設けられます。そういった書類の作成や期限管理は特許事務の業務の一つです。
  5. 特許庁での審査の結果、特許として認められることになった際は、登録料を納めることで、正式に特許として登録されます。
  6. 特許として登録された発明は、登録後も年金というかたちで特許権の維持費のようなものを支払う必要があります。そうした特許取得後の管理も特許事務の業務範囲です。

特許翻訳って、なに?

そのワードが、
新技術を世界に広める
「新技術を正確に伝える」
そんな思いを持って技術を表現していきます。
開発者や法律の専門家から託された新技術。ただ翻訳することが目的ではありません。翻訳スキルはもちろん、技術と法律の知識を駆使して表現します。これによって新技術を正確に伝えることが特許翻訳の目的であり専門性です。
特許翻訳って、
どんな翻訳?
主に扱うのは「特許明細書」と呼ばれる文書です。これは、新技術の特許を取得するために、各国の特許庁に出願するものです。たとえば、日本の特許庁に出願した発明について、外国でも特許を取得したいときは、その国の言語で書かれた書類を用意する必要があり、ここで特許翻訳の出番です。
特許翻訳が必要なのは、
どんなとき?
では、特許翻訳がどのような経緯で翻訳会社に依頼されるのかを新技術が生まれるところから順を追って説明します。
新技術はメーカーなどの企業にある開発部での研究開発で生まれます。「次期製品は改良するために新しく○○な構成にする」といったイメージです。この新しい構成(新技術)で特許を取得するために、企業の知的財産部門は、特許明細書を社内で作成、または特許事務所に作成を依頼します。

<特許翻訳の発生パターン>
①企業から翻訳会社への依頼
企業は作成した特許明細書に基づいて外国の特許庁へ出願するために、特許明細書の翻訳を翻訳会社に依頼します。

②特許事務所から翻訳会社への依頼
特許事務所は、企業から特許明細書の作成だけでなく、外国に出願する手続などもあわせて依頼されることがあります。このとき、特許明細書の翻訳を翻訳会社に依頼します。

特許翻訳が必要になるパターンの図

 

 

特許調査って、なに?

特許情報から
事業の方向性を指し示す
新技術を守るための特許。企業ではこの特許を巡って様々な戦略が繰り広げられています。他社より早く特許を出願する。より強い特許を取得する。訴訟に勝つ。このような特許の関わりにより事業の攻防が行われているのが「特許の世界」です。技術と特許の知識に加え、特許調査スキルを持って、この世界に挑みます。
特許調査って、
どんな調査?
新技術を守るための特許。この特許のもう一つの顔は、「技術の方向性を示す情報源の一つ」ということです。特許は情報の質が高く、膨大な数が存在するため、分析の対象として非常に価値の高い情報です。これを、「どのような技術がいつどのくらい存在しどう推移しているのか」、「誰が関わり、他の情報とどうリンクしているのか」など、膨大なデータから技術の方向性を調査・分析します。特許調査で得られた結果は、企業が事業の方向性を模索し定める際に役立てられます。
世界各国で日々膨大な数の特許が出されていますが、この中から特定の特許を探し出すのも特許調査です。特許出願する前や、製品を世に出す前に行います。
特許調査が必要なのは、
どんなとき?
主に企業の開発部や知的財産部が、特許調査会社に特許調査を依頼します。そして、依頼の目的の1つに「事業の方向性の見極め」があります。企業の開発部においては、開発の方向性は事業の方向性そのものであり、これからどのような方向で新技術を開発してくのかを見極める必要があります。また、知的財産部も特許により事業の攻防を行うための知財戦略を立案する際に優位な事業の方向性を模索します。

このように企業における開発プロジェクトの初期のタイミングで、企業の開発部や知的財産部は事業の方向性を求めて特許調査を依頼します。他にも、「特定の特許の有無調査」という目的があります。特許性・侵害可能性・特許有効性といった特許 に関する判定を行う必要がある際に判断材料を求めて特許調査を依頼します。

特許調査が必要になるパターンの図

 

 

特許事務って、なに?

「特許」の一生を
マネジメントする
新技術の特許を取得するところから、権利を保ち続けるところまで、「特許の一生をマネジメントする」、それが特許事務です。特許庁との手続きには法律で定められた多くの期限が設けられています。膨大な管理情報を法律のもとに正確にマネジメントすることで、新技術を守ります。
特許事務って、
どんな仕事?
特許事務とは、特許出願・維持における特許庁とのやりとりや、各種期限を管理するのが主な仕事です。特許法では多くの期限が定められており、その期限を過ぎると、特許の取得・維持ができなくなる可能性があります。特許庁とのやり取りにおいて手続きごとに期限が設けられ、次々と更新されていきます。そのため、期限管理とそれに必要なデータ入力、特許庁とのやりとりに必要な書類作成などの業務で特許の出願・維持をサポートします。
特許事務が必要なのは、
どんなとき?
特許事務の仕事は、特許事務所や企業の知的財産部から依頼されます。
特許事務所や企業の知的財産部によっては、保有する特許の件数が多く、自分たちで管理しきれないことがあります。そのため、特許を出願する件数が増加した場合や、急に担当者が異動・退職した際に依頼されることが多いです。

また別の例では、特許の管理体制の見直しのために依頼される場合もあります。特許事務は、「事務」とは言っても一般的な事務とは必要とされる知識やスキルが異なります。欠けた人材を補ったり、管理体制を構築したりするのが簡単ではないので、アウトソーシングや派遣で依頼を受けます。

特許事務が必要になるパターンの図

 

AIBSの現在地~特許編~

もともとは、技術に関するサービスを提供していた株式会社大興から言語サービスの会社として分社したAIBSは、技術と言語の両方の知見を兼ね備えています。特許は、まさにこの両方の知見を必要とするため、AIBSの能力は業界において広く求められています。AIBSはさらに、特許分野における翻訳・調査・事務という広い範囲のサービスを提供しています。これらを「知的財産サポートサービス」としてワンストップで対応できるのがAIBSの強みです。

AIBSがある世界~特許編~

世の中は便利なモノで溢れています。身近なもので言えばスマートフォンや自動車でしょうか。これらは生活になくてはならいものです。この「便利」のもとをたどれば、新技術の開発があります。この新技術を守るのが「特許」です。つまり、「便利」は「特許」によって支えられているのです。実際、「スマートフォン1台に使われている特許技術の数は10万程ある」と言われています。もし、そんな特許の制度が世の中に無いとどうなるか……。お金や労力を使って便利な最新技術を開発しても誰かに直ぐにまねされてしまいます。そうすると誰も開発をしなくなってしまいます。すると便利なモノが世の中からなくなってしまいます。それは困りますよね。このように実は身近に関わっているけど、その大切さはとてつもなく大きな「特許」。これからの先の未来に向けて開発される新技術のために、AIBSではこの「特許」を守っていくという役割を担い自分達の専門スキルを発揮していきます

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