地球は丸い

地球は丸いということは、今ではみんなが知っている事実です。
紀元前の古代ギリシャ人は、地球が丸いことに既に気付いていたと言われています。
15~16世紀の「大航海時代」の初めの頃は、まだ多くの人が大西洋の端は海水が奈落の底に向かって落ちていると考えていました。マゼランなどの探検家が世界一周の航海を果たして、ようやく地球が丸いことをみんなが認識するようになりました。それは今から500年ほど前のことでした。そして150年前にはジュール・ヴェルヌが、「八十日間世界一周」という小説を出版しました。現代では海外旅行やビジネスなどで、人が地球規模で移動することが盛んになり、西回りまたは東回りで地球を一周するということが普通のことになってきました。

地球が丸いということは、学校で習ったから知ってはいますが、それを実感する機会はあまりありません。水平線を見ると良いといわれます。実際に太平洋や日本海に臨んで目の前に広がる水平線を見ると、地球は丸いということを実感できるような気がします。

秋も深まってくると、私には地球が丸いことを実感する瞬間があります。私はアマチュア無線を趣味としており、海外のアマチュア無線局と交信することがあります。電波というのは地球の地面と上空の電離層の間を反射しながら伝搬してはるか彼方の国に届きます。ヨーロッパの無線局と交信するときはアンテナの方向は北北西にします。日本との距離は約1万キロメートル(地球1/4周)で地球に沿って最短距離で減衰しながらヨーロッパに電波が届きます。しかし秋になると地球の反対回りでも電波が届くような現象が起きるときがあります。アンテナの方向を南南東にすると反対回りになり距離は3万キロメートル(地球3/4周)にもなりますがしっかりと強力な信号が届きます。地球が丸いからできる通信であり、本当に地球は丸いと実感する瞬間です。

今、地球はいろいろな課題を抱えています。普段は平らだと思って暮らしていますが、本当は丸いひとつの球だということを実感する瞬間も必要だと思います。

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