特許事務ブログ

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2020.10.21

シリーズ【RPAツールを使ってラクをしよう】 2

知財事務の自動化(RPA活用)

こんにちは、RPA技術者です。前回このシリーズでちょこっと、RPAとはソフトウェアロボットです、というお話をしました。また、別シリーズの【特許事務に自動化を取り入れる】では、「入力元となる情報を電子化する/電子化された状態で取得することが重要」というお話がされています。
人間は、様式(フォーマット)の異なる情報から共通情報を抜き出して認識したり、画像情報からテキスト情報を読み取ったりすることができますが、現時点でソフトウェアロボットにはそれは無理です。
代わりにソフトウェアロボットは、電子化された情報を正確に別の場所に転記することができ、長時間同じ作業を行っても疲れて休んだり、うっかりミスしたりすることはありません。つまり、ソフトウェアロボットは「人間が忍耐強く繰り返し行わなければならない」作業に向いているといえます。

知財事務業務は日次・週次・月次・期ごとの繰り返しが多いのではないかと思います。なので、「ソフトウェアロボットを使って業務の自動化!」と言われると、どうしても担当業務全体のことを考えてしまって、「どこから手をつければ良いのかわからない」、「難しそう」、「ソフトウェアロボットを作るほうが面倒そう・・・自分でやったほうが楽」と思いがちです。でも、「担当業務全体を一気に」自動化する、なんてことは考えないほうが良いのです。

例えば、エクセルに「整理番号と登録番号、登録日」が10行分記載されているとします。1行分のデータを読み取って知財管理システムに入力するという作業を考えてみます。
1) 知財管理システムを起動してログインする
2) 検索ページを開いて整理番号を入力し、案件検索する
3) 登録情報入力ページに移動する
4) 登録番号と登録日を入力する
5) 案件登録する
6) 知財管理システムからログアウトする

この作業のうち、2)~5)を10行分、繰り返すことになるのではないでしょうか。ソフトウェアロボットは、エクセルの読み書きが得意です。1行分の処理手順を教えたのち、同じことを10回でも100回でも繰り返すことが容易です。

上記は一例ですが、担当業務のなかで、どれだけ小さい単位で「繰り返し」作業を見つけられるかが、RPAツール(ソフトウェアロボット)適用の第一歩なのです。

「そうは言っても、案件ごとに入力する情報が違ったりするし、、、」
はい、では次回は「違いを吸収するには」についてお話しします。
(MH)

2020.10.15

シリーズ【特許事務に自動化を取り入れる】 2:プログラミング経験のない特許事務担当者がRPA自己学習でつまずいたこと3つ

知財事務の自動化(RPA活用)

こんにちは。弊社RPAオンラインセミナー第2部で講師をしているK.Mです。
特許事務担当者として仕事をする傍ら、弊社が販売代理店を務めるRPAツール(WinActor®)で知財業務の自動化を行うために、社内のRPA技術者から指導を受けながらRPAの自己学習を始めて半年ほどになります。

今回は、「プログラミング経験のない特許事務担当者がRPA自己学習でつまずいたこと3つ」と題して、私の経験をご紹介しようと思います。タイトルの通り、私はプログラミング経験ゼロの状態でRPA学習を始めました。今ではセミナー講師として仕事ができるようになりましたが、これまでに下記のような点でつまずきを感じてきました。

1. 一般的な教材では、RPAを知財の業務内容と結びつけるのが難しい
学習を始めた当初は、知財業務とはまったく関係ない一般的な教材でシナリオ(WinActor®用語で、RPAのフローのこと)作成を練習していました。操作を覚えるためには必要なことですが、その間は、これを実務にどう生かせるのか想像できませんでした。

[こうして解決]
社内のRPA技術者から、知財業務でよく行う「Excelから知財管理システム(富士通ATMS PROPAS)へのデータ入力」というテーマを示してもらい、指導を受けながら自分でシナリオを作成したことで、どのような業務でRPAが使えそうか想像できるようになりました。
皆さんもRPAの操作に慣れてきたら、日頃の業務で「楽をしたいなあ」と思っていること、自動化できそうなことを探してみるとよいのではないでしょうか。

2. エラーが出たときに自力で対応できない
プログラミングの知識がないので、エラーが出ても原因を考えて対応するのが難しく、社内のRPA技術者に助けを求めていました。

[こうして解決]
経験を積むことによって自分である程度対応できるようになりました。具体的には、RPAオンラインセミナーを社外向けに始める前に社内で練習していたのですが、自分以外の人がインターネットや機器の問題など様々な環境下で起こすエラーの事例を経験することで、「このノード(WinActor®用語で、部品のこと)でこのようなエラーが出たときはこういう要因を疑う」というように、エラーのパターンを想像できるようになりました。
WinActor®のエラーの対処法は、「WinActorユーザーフォーラム」も参考になります。良かったら登録・閲覧してみてください。(https://winactor.com/questions/

3. 自分でゼロからシナリオを書けるようになるにはまだまだ時間がかかる
上記1.のように、社内のRPA技術者から大まかな道筋を示されたら、それに従ってシナリオを書くことはできるようになりましたが、まだ自分でゼロからシナリオを書けるようになるには至っていません。

[未解決]
果たしてそのような日は来るのか・・・鋭意模索中です。業務だけにこだわらず、身近な定型作業をRPA化することから始めてみたいと思っています。

今回は以上です。 業務自動化を推進するこれからの時代、特許事務担当者がRPA担当者を兼ねるという職場もますます多くなることと思います。「RPAを自己学習してみたけど、結局よくわからなくて放置している・・・」という特許事務担当の方、ぜひ一度AIBSにご相談ください。私も学習中の身ですので、一緒に頑張りましょう。また、良かったら私が講師を務めるオンラインセミナーにもぜひご参加ください。
http://www.a-ibs.com/patentblog/cat18/rpa-1.html
(K.M)

2020.10.07

シリーズ【特許事務に自動化を取り入れる】 1:知財管理情報をデータで扱う

知財事務の自動化(RPA活用)

こんにちは。秋も一段と深まってきたように感じる今日この頃です。いかがお過ごしでしょうか。 知財事務サポートのメンバーとして、企業や特許事務所の特許事務業務をメインに担当している者です。
ここ数年、特許事務担当として業務に携わるなかでも、RPA(パソコンでの定型作業を自動化するツール)に触れる機会が増えてきました。このシリーズ 【特許事務に自動化を取り入れる】 では、特許事務と業務自動化の関わりのなかでの気づきや役立つ情報をお話していきたいと思っています。

特許事務業務における自動化を考えてみたとき、その実現性はどのような状態の情報をどういったプロセスで処理しているか?に拠るところが大きいと感じます。そこで、今回は、特許事務として扱う情報の形態について取り上げてみたいと思います。

今は多くの企業や特許事務所において知財情報が電子データで扱われ、特に出願案件情報や期限情報は、知財管理システムやExcelなどのソフトで管理されています。例えば、この知財管理システムへのデータ入力業務の自動化を考えた場合、入力元となる情報がどのような状態で手元にあるのかがまず重要なポイントになります。
特許事務業務のなかで日々受け取る情報の形態は、紙の書類やPDFファイル、Excelデータなど多岐にわたります。すべての情報を自動化できればいいのですが、処理したい情報が紙や紙がスキャンされたPDFにしかない場合、まず情報をデータとして扱える状態にする必要があります。というのも、特許事務の担当者は、異なる様式で作成された様々な種類の書類から管理の必要な情報を目で読み取り、データとしてシステムへ入力することができますが、ロボットには情報をあらかじめデータとして準備してあげる必要があるからです。

ただ、紙の書類も、もともとはデータとして存在している情報が出力された結果なのであれば、多くの書類には元データがあるはずです。可能であれば、提供元からCSVやXML形式などのデータとして扱える情報を入手することも検討してみてはどうでしょうか。なお、知財管理システムにはインターネット出願情報をXML形式データで取り込み、反映できる機能が付いているものもあります。弊社のアウトソースサービスでも活用している富士通の特許管理クラウドサービス「ATMS PROPAS」にも特許庁書類の取り込み機能がありますが、とても便利です。
自動化やデータの取り込みは入力作業の効率化はもちろんですが、正確な書誌情報の反映に繋がります。

もちろん、報告書などは人の目で見て理解しやすい形であることも必要ですが、それと合わせて必要な情報をデータで入手しておくことも、特許事務業務の自動化を見据える場合には重要になるのではないかと思います。
(TY)


2020.10.01

シリーズ【特許事務を仕事にする】 59:マンガで見る知財の歴史

特許事務のお仕事

こんにちは。
本日10月1日は中秋の名月です。たまには空を見上げてゆっくりお月様を眺めてみるのもよいですね。

特許庁のホームページで、初代特許庁長官の高橋是清や、日本の十大発明家など、産業財産権にまつわる歴史的なエピソードを1ページマンガのシリーズで紹介されたPDFが紹介されていることを知りました。

特許庁に行かれたことがある方はご存じかもしれませんが、特許庁の 1 階ロビーには十代発明家の肖像と発明の説明がありますが、マンガの方が理解しやすいかと思いご紹介します。
よかったら見てみてください。

出展:マンガで見る「知財の歴史」(特許庁ウェブサイト) 
https://www.jpo.go.jp/resources/report/sonota-info/document/panhu/manga_chizai_201711.pdf

2020.09.30

シリーズ【RPAツールを使ってラクをしよう】 1

知財事務の自動化(RPA活用)

はじめまして、RPA技術者です。弊社知財事務サポートチームの中では異色のプログラマ出身で、現在はRPAツールを知財事務に適用しようと奮闘中です。
RPAとは「Robotic Process Automation」の頭文字を取ったもので、オフィスワーカーのPC業務を自動化・効率化しようとするものです。オフィスロボットなどとも言われます。

日本では2017年頃に「RPAの導入」に向けて大盛り上がりをしたようですが、2020年の今では経済用語というところの「幻滅期」に入ったと言われています。期待が大きすぎて、期待通りのスムーズな導入や業務の効率化が進まない状況が続くと、「やっぱりダメなんだ・・・」と思われ始めているということなのでしょう。(ちなみに、新しいテクノロジーに対する利用者/受益者反応は、「黎明期」→「ピーク期」→「幻滅期」→「安定期」と推移するそうです。)

RPAツールとして有名なものとしては、弊社が一次代理店をしているWinActor®の他、UiPath、BluePrism、BizRobo!、AutomationAnywhereなどの古株から新興勢力まで、色々と品揃えが豊富になってきました。これらRPAツール共通の謳い文句として「ノンプログラミング」があります。マクロやスクリプト言語を習得しなくても、マクロやスクリプト言語ができるような業務効率化が図れますよ~というわけです。

この「ノンプログラミング」、確かにVBAやVBSなどのプログラミング言語・スクリプト言語を習得する必要はないのですが、RPAツールに仕事を覚えさせる過程は、まさにプログラミングです。「えっ、そうなの!?」と驚かれる人も多いかもしれませんね。

RPAツールは確かに、プログラムにつきものの面倒くさい文法や周辺環境の整備からは多少は自由ですが、「プログラム的な考え方」は必要です。それまでプログラミングをやってこなかった人にとって、この「プログラム的な考え方」が最初のハードルとなります。案外すんなり超えてしまう人もいれば、理解に時間がかかる人もいます。

RPAツールが普及して「安定期」・・・生産性が一定の成果を上げている状態・・・になるためには、「プログラミングを仕事にしてこなかった人、でも業務知識が豊富な人」に使っていただけるようになるのが必須条件とも言えます。

今後、このシリーズでは、RPAツール(特にWinActor®)を使って「上手にラクをするTips」をご紹介していきたいと思っていますので、ご期待ください。
(MH)